患者かもしれない 第3心 読書録2冊目 大人の発達障害診療マニュアル
まずはアイコンタクトからにしないと
君の視線にちょっと慣れないと
シンガロンパレード「UFO」より
ゴールデンウィーク始まりましたね。なんとか前回宣言通りにぼちぼち勉強してます。 前回はこちら患者かもしれない第2心 読書録1冊目 精神療法の基本 支持から認知行動療法まで - 木曜レジオ 今回読んだのはこちら。
大人の発達障害診療マニュアル 第2版 姜昌勲 著
概略
以下Amazonから引用
「大人の発達障害」は難しい,ややこしい.そう思っていませんか? その先入観は今すぐ捨てて下さい.大人の発達障害の診療は精神科医なら誰でも得意になれます.ASDを含む大人の発達障害を診るために必要な「正しい知識」と「少しのコツ」を7つのステップにまとめた好評書をアップデートし,WAIS-IV知能検査など実務状況の変化にも完全対応,さらに読みやすくなりました.日常臨床を豊かにするヒント満載の一冊です!
目次
第1のステップ 正しく知る 発達障害について勉強する 第2のステップ 情報を集める 生育歴とチェックリスト、心理検査、第三者からの問診 第3のステップ 診断する DSM-5とうまくつきあう 第4のステップ 見逃さない・間違わない 合併と鑑別を大事にする 第5のステップ 必ず精神療法を行う 聞くだけでなく具体的な行動処方が大切 第6のステップ 正しく薬を使う 薬は第一選択ではない 最後のステップ いざ、診療へ!
対象読者
全ての精神科医に向けて、と思われます。本文の中でも統合失調症よりも発達障害の方が有病率が高いということに触れられています。精神科医であれば診れるべき疾患であるとの筆者の思いを感じました。
読んだ目的
今のところ、僕が精神疾患の中でも特に興味があるのが発達障害です。特に大人の。 僕自身がおそらく特性を持っていること、そして有病率の高さから患者が多くいることから興味を持っています。なので、なにかとっつきやすく、よくまとまっている新しい本がないかと書店で探して行き着いたのがこの本でした。
感想
とても読みやすくまとまった本でした。 発達障害の定義、歴史に始まり、診察室での病歴聴取の具体的な方法まで書かれていたのはとても参考になりました。 そして中でも、発達障害は様々な精神疾患との合併が多く、それを前提とした、様々な精神疾患との鑑別ポイントと合併があった場合の診療へのアドバイスが描かれていたのがとても良かったです。パーソナリティ障害とASDの鑑別、統合失調症と発達障害の鑑別などいつも疑問に思っていたことの多くのことに触れられていて腑に落ちることが数ありました。 変に固くなく、本当に実際の臨床に寄り添った本だと思います。
僕にとって想定される本書の内容を使う場面
精神科に於ける全ての問診で使える、使うべきアイデアが散りばめられていました。それは、発達障害がコモンなもので鑑別として頭に置いておくべきものでもありますし、鑑別のあり方や、家族へのアプローチなどより一般性のある話も多く描かれていました。