木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

文体は荒波に揉まれ②

さて、前回の続きである。
前回はこちら。

https://structural-alien.hatenablog.com/entry2022/01/03/%25E6%2596%2587%25E4%25BD%2593%25E3%2581%25AF%25E8%258D%2592%25E6%25B3%25A2%25E3%2581%25AB%25E6%258F%2589%25E3%2581%25BE%25E3%2582%258C%25E2%2591%25A0

前回に引き続き、「文体の舵を取れ」を読みつつその練習問題を実際に解いて?みる。

第二章は句読点についての話だった。英語と比べると日本語における句読点の重要性は若干下がる気もしたけれど、どうなんだろう。
以前、高校生の時に「日本語能力検定」というよくわからん試験があって、句読点を正しく配置する問題があったがそこそこ難しく感じた記憶はある。

練習問題②ジョゼ・サラマーゴのつもりで
一段落〜1ページで句読点のない語りを執筆すること。

その日ジョゼはいつもの朝がくるものだとおもっていただがそうはならなかった普段通り彼は幼稚園へ娘を送るために娘と共に車に乗り込んだいつも通りいつもの朝いつも通りの幸せな光景むにゃむにゃと目を擦る可愛い天使それは本当にちょっとしたことでほんの少しだけジョセが注意を怠っただけのことだったのだ信号機が何色だったか分からない交差点で彼は突然ですが大いなる力を衝撃を感じ取ったまるで全てが左側に持っていかれるような力だ触覚も視覚も嗅覚も全ての感覚が衝撃に置き換えられてしまったその日アレハンドロにとってもいつも通りの朝のはずだっただがそうはならなかった彼はいつも通りに仕事の相棒のトラックを走らせていた随分長い付き合いになるなる相棒はそこそこにハードなアレハンドロに文句を言いつつも付き合ってきてくれたアレハンドロはいつも通りに運転していたはずだっただがしかしいきなり目の前に飛び出してきた一台の可愛らしいオレンジ色の車によって全てが台無しになった全てが終わった時アレハンドロはハンドルに顔を埋めていた何が起きたのか理解した理解はしていただが顔を上げることができなかったそれを確認することが何より恐ろしかった遠くから1人の父親の絶叫が聞こえてくるのをアレハンドロは夢うつつに聞こえる目覚ましの音のようだと思った

文体は荒波に揉まれ①

ル=グウィンの「文体の舵をとれ」を買った。

 

 

この作者が何者なのかもよく知らないし、完全に勘だけで買ったほんだ。

物語を描く人に向けた技巧の練習本のようだ。元が英語の本なので、例示されたりする美しいであろう英語の原文を直接読んで感じ取れないのは些かもどかしいが、普通に読んでいて楽しい。章ごとのテーマに沿った実例の開示の後に、それに基づく練習問題が出される形式の構成となっている。

せっかくなので練習問題をこのブログで練習していきたいと思う。

 

 

練習問題①文はうきうきと

問1 声に出して読むためのナラティブの文を書いてみよう。

その男、なんとかかんとか島に着いた時、日はざぶざぶと沈み始めていた。

なんともかんとも言えない顔で、砂か塩か分からぬザリザリで覆われて、恨めしそうに太陽に目を向けた。

男の相棒たる船は、すでに解けて海の藻屑。

ザクザク歩く砂の上、ジンジン痛む足すすめ、ズンズン沈む心を支えて、全然平気と嘘をつき、ゾンビの如き顔と動き。

ハァハァぜいぜいガクガクずきん。

焦る男と反対に、周りの景色はのどかなものだ。

チャプチャプざぶざぶサラサラとぷん。

やっと見つけた椰子の木の、下で男は座り込む。

ほっと一息、椰子の実一つ、頭をかち割り、バコッとひと逝き。

 

 

問2 動きのある出来事、もしくは強烈な感情を抱いてる人物を一人描写してみよう。

その瞬間、私の頭の中は熱した鉄の塊が突っ込まれたのと同じようになった。

湯気だち、はじけ、熱く震え、そして何より赤くなった。

普段なら、いつもであれば、電車での横入りなど気にもならないはずなのに、今日だけは違った。

憎い、目の前のこの男が憎い。

今日、この場所にバールがなかったのは幸いである。

お返しにこの男の頭にも鉄の塊が叩き込まれていたかもしれないからだ。

手が震え、息が震え、視界も震える。

決壊したのだ。

大雨の日、どこかのタイミングでダムが決壊するように、私の心は決壊したのだ。

決壊したダムから溢れ出る濁流は全てを下へ下へと押し流す。

今日は雨だった。何もうまくいかず朝からずっとずっとずっとだ、ずっとイラついている。

一つ一つは大したことはなかったのだが、それでも、もはや限界だ、この男が憎くて仕方がない。

この男の罪は軽い。だがしかし、今日私に雨が降り続いたように、雨は降る場所を選ばないし、いつだって不快は雨は予想外なものだ。降るとわかっていれば傘を持って家を出ればいいだけなのだから。

横入りされたせいで私が僅かに後ずさった時、背後の人物の靴を踏む感触がした。

その瞬間、私の体は後ろにいた男に突き飛ばされた。

雨に濡れた床のせいで踏ん張りが効かない。

チラッと見えたその男の目は赤く燃えたぎっていた。

どうして、私なのか、そんな疑問は雲間から鮮やかな青空が現れるように解消された。

その男の目には並々と怒りが湛えられ、すでに溢れ出していたのだ。私の体は怒の濁流に押し流される。

わかる、その怒りを理解したが、それ故にその理不尽、その小ささに私の怒りには再び火が灯る。

私は、前にいた男の肩を掴み、ホームへと滑り込んできた電車の方へと差し出した。

お先にどうぞ。

濁流が止まらない。

餅を食わなかった話

年が明けましたね。

僕は死ぬほど餅が嫌いで、一口食べればもうその日1日はテンションが下がるくらいに嫌いです。なぜそこまで嫌いかというと、多分期待値の高さがあるのだと思う。

身の回りに餅嫌いはいないし、みんな当たり前のように食べるし。めちゃ美味しそうな雰囲気出してくるじゃん。

置いてかれたような気持ちになってしまうのかもしれない。

去年はそんな気持ちで餅にトライして痛い目を見たのだ。

下記はその記事。

structural-alien.hatenablog.com

そんなことがあったのでもう食うまいと思っていたのだが、今日妻が餅を焼き始めたのでまたウズウズと餅に挑みたい気持ちになったのだ。

物欲しそうに妻の餅を見ていると、またどうせ無駄になるのだからやめておくように言われた。

いや、今度こそなんかいけそうな気がする。今年は雑煮じゃなくて焼いてみたらいけそうな気がする、と言ってみた。

どうやって食べるつもりなのか?と妻に問われた。

どうやって?餅とは焼けば食べれるものではないのか?と思ったがどうやら醤油や砂糖やら準備がいるらしい。

そのまま食うのは初心者にはまだ早いとのことであった。

餅とはなんと面倒臭いやつだ。

きな粉と黒蜜を用意して来年また挑むこととする。

人生をやり直すならいつ?

現在の職場の直属の上司はおそらく所謂「陽キャ」である。

 

そんな上司がいきなり「人生をやり直すならいつ?」という問いを提示した。

僕の脳内にはぐるぐると留年のことや進学の後悔そんなものが渦巻いて瞬時には答えられなかった。あまりに失敗が多くどこに手をつければいいのかわからない。

上司はというと、「学生時代」だという。

その理由は「楽しかったから」だそうだ。

根本からして僕のような人間とは考え方が違う。

もう一度人生をやり直す、というと僕は、僕のような人間は必死で少しでもマシなものにしようと無駄な人生の粗探しをしてしまう。

とはいえこれは無理からぬことで、僕もある意味前向きな意味で過去の粗探しをしてしまうのだ。

そもそも上司のような人間は「戻りたい過去」があるからこそ、「もう一度」同じ人生を経験したいと思うのだろうが、僕はそうではない。常に今が一番幸せなのだ。人生上り調子、逆に言えば過去はいつだって失敗と諦念に塗れ、たとえその時「幸せ」を感じた時間であろうが戻るのは億劫である。常に綱渡のようにコイントスを正解し続けているような人生の体感なのだ僕は。そんなコイントスをもう一度させられるなんて正直ゾッとしない。

だから常に「最高」な現在に比較して過去は反省の場所になるのだ。

花の話

日記。

今日は職場の同期たちと花の話になった。


花は良いプレゼントだ。

食えもしないし、すぐに枯れる。

あれは、かなり純度の高い「気持ち」の塊なのだ。
良き代弁者だ。

気持ちは食えないし、そのままであり続けるものではない。

昔は花なんか何が良いのか何も分からなかった。

花は、図々しくない。

枯れて残らず、でも気持ちに彩を添える。

まぁ100本のバラの花束とかだとそれはまた違う話になるんだけど、数本の花束とかはちょうどいい。

花束を買おう、と思った人の気持ち、花束を作った人の気持ち。
それらが緩やかに束ねられている。

そんな話をした。

もしも今後機会があれば、ちょっとした花束を買ってみようかな、そんなことを思った。

好きこそモノの6品目 トートバッグ

ひたすら自分のお気に入りのものを紹介してゆくこのシリーズ。
前回がこちら
structural-alien.hatenablog.com

今回は6品目と言いつつ一つではないです。
僕の息の長い趣味の一つにトートバッグ集めと言うものがあります。
トートバッグって可愛いデザインでお値段もそこそこでついつい勝っちゃうんですよね。そんなこんなである程度溜まってきたので見つかった分を写真に撮って記録に収めようかと思います。(引越しの前後で捨てちゃったものもあるしもっと前にやっておけばよかったな……)
まともなレビュー記事にする気もないのですがせっかくなので評価ポイントも作っておきます。
①値段
②サイズ感
③生地の硬さ・丈夫っぽさ
④扱いやすさ
⑤可愛さ

1 .UNIQLOのトートバッグ小

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ユニクロのレジ近くに売ってるやつですね。
①値段 調べとく
②サイズ感 普通
③生地の硬さ・丈夫っぽさ そこそこ 本は入れたくない
④扱いやすさ 普通
⑤可愛さ ない
まぁ普通のトートです。柔らかタイプですがそこそこ丈夫そうで気安く使えますね。でも可愛さはないので着替えの下着をリュックに詰め込むときのバックインバックみたいにして使ってます。そのうち刺繍したり染めたりして楽しもうかなとか思ってます。

2.UNIQLOのトートバッグ大
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①値段 調べとく
②サイズ感 少し大きい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ そこそこ 本は入れたくない
④扱いやすさ 普通
⑤可愛さ ない
おっきくなりましたね。言うことはないです。

3.PayPayとセブンイレブンのコラのトートバック
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①値段 無料
②サイズ感 レジ袋並
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 割と丈夫 生地は硬い
④扱いやすさ そこそこコンパクトにできるが持ち運びするほどではないので職場と家の引き出しに置いてある。
⑤可愛さ CHUMUSのペンギンモドキ可愛い 色もいいよね
キャンペーンでもらえる無料のやつですけど割といい作りです。
職場の同僚にもらった思い出の品ですね(大袈裟)。

4.ナノバック
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①値段 調べとく
②サイズ感 ガチでレジ袋サイズ
③生地の硬さ・丈夫っぽさ うっすい 本あんまり入れたくないな
④扱いやすさ めちゃコンパクトにできるのでリュックに忍ばせてる ギリリュックに入らない!って時に何度か救われた 
⑤可愛さ 色がかわいいよ

5.たぶなさんデザインのスズリのトートバッグ
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①値段 スズリのトートバック
②サイズ感 レジ袋より二回り大きい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 丈夫!
④扱いやすさ 特にギミックがあるわけではいがサイズ的に物の出し入れがしやすくて実習で使いまくってた
⑤可愛さ クソ可愛い
死ぬほど可愛いよね。みんなも買おうね。


6.温井?さんのトートバッグ
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①値段 忘れた
②サイズ感 レジ袋より二回り大きい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ やや弱そう 本は入れたくない
④扱いやすさ 観賞用になってる
⑤可愛さ 天元突破してる

もー可愛すぎ。数量限定で脳死で購入した記憶。可愛いね。

7.IKEAのトートバッグ
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①値段 気が向いたら調べとく
②サイズ感 そこそこ
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 死ぬほど丈夫
④扱いやすさ 詰め込める
⑤可愛さ IKEA!!
なんだこの形!?使ってた時はなんも感じてなかったけど。舟か?

8.無印の有料バッグ
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①値段 150円?
②サイズ感 デカァい!!!
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 死ぬほど
④扱いやすさ なんでも入る
⑤可愛さ ない 四角い
なんでも入る。ひとまわり小さいやつを洗ったペットボトルを溜めて近所のスーパーの回収するところに持って行く時に使ってる。

9.多分清華大学の学園祭で買ったトートバッグ
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①値段 2000円くらい
②サイズ感 レジ袋の二回りでかい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 薄そうだけど割に強い
④扱いやすさ 割とハードに使えてる
⑤可愛さ カワイイよなー 何がHATACHIなのか意味わかんねぇ

10.フランソワ・ポンポン展のトートバッグ
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①値段 2000円くらいだっけ?
②サイズ感 レジ袋の四回りでかい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 硬い!丈夫!
④扱いやすさ 死ぬほど便利
⑤可愛さ 可愛い 遠目に何のデザインかわかんないのもいい

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いやこれ背面?にスマホがいい感じに入るポケットがあるんですよ。めちゃ使いやすい。参考に測量手帳いれてます。
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中にはポケットが二つ。長財布も入りますし最高ですね。

まだもう少しあるはずなんですが行方不明なので、発見したり、購入したら順次追加していきます。


11.なんかどっかの美大生のギャラリーで売られてたやつ
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①値段 2000円くらい
②サイズ感 レジ袋の二回りでかい
③生地の硬さ・丈夫っぽさ 薄そうだけど割に強い
④扱いやすさ 割とハードに使えてる
⑤可愛さ 音楽系のデザインなのはわかる、ミキサーとかなのかな?
印字がうまくいかなかったかで安かった記憶。掠れてるのもそれはそれで可愛いからヨシ。

ハルキゲニア

ハルキゲニアという生き物のことをご存知だろうか。
俺はよく知らない。
村上春樹とは関係がない。多分。
古代の地球にいた生物の一種で、蛇の背中に刺刺を生やして、ヒョロヒョロの足と顎の下から触手を生やしたような生き物である。
発見された当初はトゲが足だと思われていたという話を何処かで聞いた気がする。表裏が逆に思われていたわけだ。
そんなハルキゲニアが僕の目の前にいる。
職場からの帰り、雨が降りしきる道をトボトボと歩いているといきなりソイツは十字路の向こう側にいた。
ヌメヌメとした蛇のような体にトゲトゲとした背中、そして触手と頼りない足。
ボゥと電柱の灯に差照らされたソイツはこちらをじっと見つめていた。
だがコイツはハルキゲニアではない、何故なら体長が5メートルくらいあるからだ。
しかも上下が逆さまでトゲをアスファルトの地面に突き立てていた。
カリカカリカリカリ
思わず硬直していた僕だったが、アスファルトを擦る不快な音で我に帰った。
ハルキゲニアはそのトゲを器用に動かしてこちらににじり寄っていたのだ。
拳大ほどの黒々とした眼球と思われるモノがこちらを見つめている。
逃げなければ。
そう思った。
「私はコケているのだが」
いきなり話しかけてきた。
「えっ、あっはい」
くそッ、思わず返事をしてしまった。
「コケて困っている生き物がいたら助けるのが生物としてのあるべき姿なんじゃないか?最近の生物はダメだな」
生物種としてダメ出しされた。いや、古代生物こそ助け合いとかしてなかっただろう。知らんけども。
てゆーかお前は絶対ハルキゲニアじゃねえし。
「いやー、でもなんかデカイしどうしたら良いのやら」
そんなことを言いつつヘラヘラしていたらソイツは呆れたような声で言った。
「ハァ、もういい、なんとかする」
そういうとカリカリと音をさせつつ僕がいる方向とは違う道へと進み始めた。

その日以来、俺は何となく逆立ちの練習を始めた。なんとなくあのハルキゲニアが見ていた景色を知りたくなったのだ。元々隠れた才能があったのか3ヶ月も続けていると普通に逆立ちのまま歩けるようになった。

ある晩、真夜中の河川敷で逆立ちのまま散歩をしていると目の前にハルキゲニアが現れた。
「助けてやろうか?」
どうやら俺がひっくり返っていると思ったらしい。なるほど、コイツ、いいヤツじゃないか。
「いや、いいよ、好きでやってるだけなんだ」
「そうか」
数ヶ月ぶりに会ったハルキゲニアはどうやらちゃんとした向きになれたようだった。
薄暗い河川敷で月の明かりにぼんやりと照らされた彼はいよいよ夢のような存在だった。
「よかったな、ちゃんとした向きになれて」
そう言うと
「うむ、だがまぁこれはこれでつまらん景色だ」
と最初会った時のようにまたため息をついたのだ。
「上か下かなんて自分が分かっていれば大した問題ではないのかもしれんな」

そのあと俺たちは川に飛び込んで空を眺めながらのんびりと浅瀬に浮かんでいろんなことを語り合った。