木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

アホの為のアフォリズム講座 その5 ITPとTTP

落ちこぼれ医学生が、その不出来な脳みそでも覚えられるように色んな疾患を一言でまとめてみるアホの為のアフォリズム講座5回目です。 前回はこちら アホのためのアフォリズム講座 その4 ARDS - 木曜の医師国家詩篇

今回のテーマは血小板の疾患

ITPTTP

です。いや、名前似すぎやろふざけんなよ。

それではいつものごとく、強引に。

ITPは免疫性TTPは消費性血小板が減少する

さて補足。

まずオツムが残念な僕としてはこいつらの名前を覚えなきゃいけないわけです。 は?そんなんええわという人とても羨ましいです。そんなわけでこいつらの名前を覚える為の記事を別個に書いておきます。名前ややこしいんじゃ!!って方は下の記事を読んでください。

アホの為のアフォリズム講座 その5.5 ITPとTTP名前似すぎ問題 - 木曜の医師国家詩篇

なので、ここからはこいつらについての説明です。 ITPもTTPも結果としては血小板が減少する疾患です。ただ、そのプロセスが全く異なる。 ITPは上の記事で述べた通り、「免疫性」のプロセスを辿り、TTPは「非免疫性」のプロセスを辿ります。

ITPにおける免疫的なプロセスとは何か、それはズバリマクロファージによる貪食です。 血小板に対する自己抗体が出現して、マクロファージがそれをみて血小板を食べちゃうわけです(アニメ「はたらく細胞」のキャラクターでイメージするとなかなか悲惨ですね)。 この自己抗体、なんでかピロリ菌によって活性化するらしく、治療の第一選択はピロリ菌の除菌になります。そしてγグロブリン大量療法ですね。

そしてTTP。名前の記事で言及したようにこいつは「血栓」を作る疾患であり、つまり、「血栓を作る過程で血小板を消費することで血小板が減少する」疾患なわけです。 (マジでしょうもないですけど安倍首相が「消費税」増税したのと「TPP」加盟したのを関連させとくとTTPが消費性なのは覚えられるかも?) もう少し詳しく解説すると、巨核球や血管内皮細胞で作られるvWF因子という血小板くっつける糊みたいなやつがいて、こいつ、出来立てはあまりに強力すぎて血小板見境なくくっつけるんですけど、ADAMTS13という抗体がその糊を弱めてくれるのです。その抗体が機能しなくなるとセメダインみたいなvWF因子が血小板くっつけまくって血栓を作るわけですね。(「はたらく細胞」でイメージすると、普段穴をペタペタ埋めてた可愛らしい血小板たちが融合してしてラグビースクラムを組み始める感じですかね) コレのせいで脳や腎臓の細かい血管が詰まりまくる羽目になるのです。 そして、血小板のスクラムである血栓にぶつかった赤血球はその圧に負けて粉砕されます。 それが破砕赤血球ですね。

実はこのTTPとほぼ同じプロセスをたどる疾患にHUSという疾患があります。 大腸菌の毒素が悪さをする疾患ですが、ほぼ同じ疾患なのでHUSとTTPの鑑別は非常に困難です。 鑑別するポイントとしては、TTPは大人の病気で、初期からの中枢神経症状があること。対してHUSは子供の病気であること。 治療としては血漿交換を行います。

こんな感じ。

HUSとTTPがほぼ同じ疾患(というか区別がつかない)というのは驚きでした。

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