木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

初夢

新年も明けてしばらく。 いきなりの仕事始めに体が耐えきれず、土曜の夕方という妙な時間に居眠りをしたのが良くなかった。 こんな夢を見た。

私は、川沿いを歩いていた。川といっても小さなモノで、こういうタイプの川を何と呼ぶのか分からないが、京都の堀川のような地面より下の掘り下げられた部分に川があるタイプのものだった。 開放型の暗渠とでもいうのだろうか? 分からないが、とにかく私は、そんな周囲の地面より地下5メートルほど掘り込まれた、川が並走する小道をトボトボと歩いていた。 私が普段見る夢は色彩に欠けて、全ての輪郭が曖昧で夜のことが多い。 ただ、今年の初夢は異様にギラつき輪郭がバキバキとしていた。 明るさだけで言えば夏だったのだが、全くの温もりや暖かさには欠けていた。かといって寒いわけでもない。どこまでも白々しく無機質な雰囲気を纏う景色だった。その雰囲気を誤魔化すかのように道には草木が覆い茂り、原色の毒々しいまでの色彩を取り繕うかのように主張していた。 しばらく歩いていると、向こうから自分とよく似た背格好の男が歩いてくるのが見えた。顔はよく見えなかった。 他の全てはこんなにもくっきりとしているのに。 どんどんと近づいてくる。真っ直ぐに。 道に沿って歩いているわけではなく、明らかに私に向かってきている。 男から何故だが目線を逸らすことができなかった。 男は、私と同じ顔を持っていた。 わたしと同じ目、同じ鼻、同じ口。 ただし、そのどれもが私の二倍の数あるのだ。 奇妙な顔だった。 明らかにパーツが多すぎるのに矛盾なく調和していて、どう配列しているのが言葉で説明することはできないのだが、違和感なく並んでいたように思う。 もう手を伸ばせば届く距離まで近づいた時、男はこちらの腕を掴んできた。 マズい、そう思ったわたしは何故か咄嗟に男の手に噛み付くという行動に移った。 するとすぐさま、男も私の手に噛みつこうとし始めたので、「しまった!噛み付いてはいけなかった!」と叫びながら目を覚ましたのだ。

最悪の初夢だ、と思った。 男の、あの奇妙ながらも調和の取れた顔を見た時の感覚が頭からまだ離れない。