同期のベスパとジャングルジムに登った。
夕飯の買い出しをして、すぐに帰っても良かったのだが、見知らぬ街の見知らぬ名前もわからぬ公園でジャングルジムを見つけてしまったのだ。
30手前になって登るジャングルジムってこんな怖いのか、などと言いつつ登る。
案外ヤンキーとかいねぇのな
でも、向こうで無言で雲梯やってるおばさんいるぞ
ブランコ、使用禁止になってんな
昔、なんかぐるぐる回るジャングルジムあったけど、みねぇな
俺、昔あれで大怪我したわ
そんなことを話しながら、ぼうっとしていた、いろんなことを話した。
将来のこととか、今の仕事のこととか、留年のこととか。
心に浮かんだことを、ぽつぽつと脈絡なく話し続けていた気がする。
ずっと、俺は刺激を追いかけ続けていたけど、きっと、そろそろそういう楽しさは無理になってくるんだろうな
今のうちに、もう少し、刺激のない楽しみを見つけた方が人生の後半はもっと楽しくなる
結局、色々あったけど、綱渡りみたいな人生だけど、うまくやってるんだよな
でも、多分まだあと一つ二つ山が来る
実は今まで骨折ってしたことねぇんだよな
せいぜい捻挫くらいだな、だから骨折ってどんな感じなのかわからなさすぎてこえぇ
ここまで来たら骨折せずに行きたい
留年はあくまでシステムの中での停滞だったけど、次の停滞はそうはいかないかもしれない
やっぱり、俺たちはどこかで折れてしまってる部分があって、でもそれをどこかで割り切る必要があった
どの道を選んだとしても結局どうなるからそこでどうなるかでしかないよな
でも、やっぱり選択はやりようがあるはずだ
自分がやりたいことをやれることが本当に自分にとっていいことなのかってのはわからない
バカになれねぇとできねぇことがいっぱいあったけど、もうそういう感じじゃねぇよ
いろんな挫折や後悔を引き摺ってる
でも引き摺ってること自体を楽しめるようになってきた
引きずること自体を微笑ましく思える
それを解決する必要はなくて、それは過去のことでもう終わったことでしかなくて
少し、時々思い出して、苦笑いする
いろんな人間に会ってきた気がする
みんな、どこかでなんとかやってるらしい
挫折とか、そういうのをみんな引きずってるってのに気づけたのが救いだ
いつまでも大人になれない気がする
でもなんだかんだ変わっていってるんじゃない?みんなも、立ち振る舞いを身につけただけで
変わらない部分は自分自身というか
でも、その部分が、根本的に子供な気がする
じゃあ、それはずっとそのままかもしれないなぁ
気づけばタクシーが終了してる時間まで僕たちはジャングルジムにいた。