木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

カレーの話

業務時間を過ぎた夕方の研修医ルーム。
ヒラギが、「今夜はカレーだな」といったところから話は盛り上がった。
僕は最近カレー粉を2種類混ぜてつけることにハマっている。
特に意味があるのかないのかわからんが、美味しいもんに美味しいものを混ぜて良くないわけがないのである。
ヒラギは固形のカレールゥを使う派で、ベスパはフレークタイプのルゥを使うとのことで、同じカレー好き男子でもルゥの形態の時点で既にこんな差があるのか、と驚いた。
僕以外の2人は一時期スパイスからカレーを作っていたらしいのだが、ヒラギ曰く、結局自分でこだわった調合をしてみても市販のルゥを超えることはなかったらしい。
そりゃそうだ、という話かもしれないが、僕はなんだか残念に思った。
「なんとなく、大概のレシピにそうしろと書いてあるから盲信してるんだが、初めに玉ねぎ炒めるやつってアレなんなの?」
そう僕が聞くと、2人は口を揃えて言う。
「アレがなきゃ始まんないだろ」
「カレーのコクの全てよアレが」
そうだったのか、これからも続けようと思った。そして話は具材の炒め方の話に行き着く。
ヒラギは言う。
「カレーは炒め料理なんだよね、煮物じゃないんだよ。
玉ねぎの後に色々な具材を投入していくわけだけど、一度水気が飛び切るまで炒めきっちゃう。そのほうが確実に美味い」
この話には僕も同意した。
僕は水気を飛ばし切るまではしないものの、余計な水は足さない。肉や野菜から滲み出た水分だけでカレーは完結させる。
わざわざ無水鍋など使わなくても、ニトリの鍋で水を足さないカレーは出来る。
もう少し水気が欲しいと思った時はワインなどを入れるようにしている。
徹底的に水を排除する。
そして全会一致したのが、ジャガイモはカレーに入れるべきではない、と言う話だった。
ジャガイモはある種定番であるのだが、カレーのスパイスの鋭さがひどく曖昧になってしまうのが僕はとても嫌だ。
皮剥くのも面倒だし。
ヒラギも反ジャガイモ派ではあったが、その理由は炭水化物である米に炭水化物であるイモを足すことが許せないからだそうだ。
これに関してはヒラギと、お好み焼きをオカズに米を食べる僕とベスパとで埋まらない溝が見つかってしまった形になる。
最後に出てきたのが、何の肉を入れるか、という話だ。
僕は、基本鶏モモ肉で、時々合い挽きミンチを入れる。特に理由はないが、鶏肉が単純に好きだからだ。
ヒラギは圧倒的牛肉派だった。
僕もヒラギも豚肉を入れることにはどちらかと言えば懐疑的であった。
「豚肉に行き着いたわ、俺は」
ベスパはそう語った。
「豚肉と言っても、バラ肉じゃなく、分厚いブロック肉。豚肉は甘いんだよ。豚肉から滲み出る油の甘さとスパイスのコントラスト、マジで最高なんだよ」

取り敢えず、今度カレーを作る時は豚肉を使って水気が飛ぶまで具材を炒めようと思う。

追記
翌日上で書いたの全部実行してカレー作ったらガチで美味しかった
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