木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

月と星の話

さっきの記事がなんとも鬱々とした内容だったので口直しの記事を1つ。

天文台に行ったことはありますか?

僕はつい先日初めて天文台に行きました。
とても小さな天文台でしたが、立派な天体望遠鏡があり、係の方がいろんな星を見せてくれました。

アルファード(アルファルド)という星をまず見せてもらいました。僕はこの星を「星は歌う」という少女漫画で知りました。主人公の女の子が憧れる少年のことを孤独星と呼び、この星に例えるのです。
実際に天体望遠鏡で覗いたその星は、周囲の星から少し離れ、自身もそこまで明るくはなく、大気の揺らめきに合わせて儚げに瞬く星でした。
主人公の女の子にはこんなふうに彼のことが見えていたのかと胸が少し締め付けられました。

また、どの星かは忘れましたが、四万年前の星の光も見せていただきました。なんともぼんやりとしていたのですが、ちょうど人類がアフリカ大陸から出発しだした頃の星の光で、ロマンチックさを感じました。

そして最後に月を見せてくれました。
それまで小さく儚げな星ばかり見ていたので、あまりに巨大な月のその頼もしさには圧倒されてしまいました。

係の人は面白い話をしてくださいました。詳細は忘れてしまったので所々曖昧ですが記憶の限り書いてみたいと思います。


マチュアの天体観測の醍醐味といえばやはり自分で新しい星を見つけて自分の名前をつけることと言うのがありまして、みなさん必死になって新しい星がないかということを探していました。
しかし、ある時にどうやらそれまで映画や小説の話だと思われていた「地球に星が追突する」ことが現実にもあることなのだという研究が出てしまいました。
こうなると大きな天文台の学者が世界中でデータを統合して新しい星を探しまくって、地球に向かってくるのがないか探し始めるわけです。
そうなるとアマチュアが新しい星をそれに先駆けて見つけるということは非常に難しくなってしまいました。

誰も見つけてないものを見つける、そんな楽しみが失われていきました。

そんな時に、高校生のとある天体観測サークルが目をつけたのは月でした。
月というものには実は今なお隕石が落ちていて、いわゆるクレーターが増え続けています。
彼らが目をつけたのはそれでした。
いつ落ちてくるともわからない隕石を待ち続け、ビデオカメラで月を撮影し続けて、隕石が落ちる瞬間の淡い光を捉える、そんなことに彼らは成功しました。

研究というものは細い糸を手繰っていくようなもので、その先に何かを掴むということが尊いのだと思います。



というようなことを語っていてとてもロマンチックでいい思い出になりました。

もう少し夏になれば夜もで歩きやすいですし、是非近くの天文台に行かれてみてはどうでしょうか。