x細胞は深く息をする 僕の人生の分岐点となった漫画
今日は書評というか漫画の紹介です。 と言ってもオススメする漫画、というわけでもありません。 書評というよりも、出会いの話です。
- 作者: やまあき道屯
- 出版社/メーカー: サンクチュアリ出版
- 発売日: 2010/04/03
- メディア: コミック
- 購入: 3人 クリック: 23回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
あらすじ Amazonから引用
15年前の消えた初恋、それがすべての始まりだった……。不治の心臓病で亡くなった初恋の人、優子。初恋の人を救えなかった2人の男は医療研究の最前線に立つ研究者になっていた。「命をこの手で創るんだ」研究者たちの純粋すぎる思いがやがて狂気を呼び覚ます。15年前の誰にも知られなかった秘密が明らかになった時、読者は驚愕のラストへと導かれるーーーーー! ! ! ! ! !
脳死や人の尊厳を扱った、重厚な医療サスペンスもの、に当たるのだと思います。
この本と出会ったのは二浪中のブックオフ。 二浪が始まったもののなんの目的意識もなく、一浪目に受けたセンターも7割台、二次試験に至っては箸にも棒にもかからない、そんな状態。
またもや無意味な一年が、始まった。
そんな時期にこの漫画と出会いました。
一浪の時は親に言われて特に行きたくもない地方の医学部を受験し、前期も後期も落ちました。
全てが惰性で、特に意味もなくて、予備校の講義も寝てばかりで。三角数の公式すら覚えていませんでした。
そんな時に、出会いました。
この本は面白い本です。読み応えがあり、色々考えさせられました。
ですが、正直、この内容が僕の内面を何か変えたかと言われれば、そんなことは多分ないのだと思います。失礼な話ですが。
じゃあ何故、紹介するのか。
それは、この漫画が僕にとってのターニングポイントになったからだ。
あの時、あのタイミングで、たまたま手に取った漫画が医療系のもので、そこには命の大切さ、命の尊さが描かれていた。
そこからです、その時僕は生まれて初めて自分の人生に物語性を感じました。 医療そのものとの出会いだったのかもしれません。
もしかしたら、この漫画と出会わなくても僕は勉強し始めたのかもしれない。
だけどきっと、僕はあの鬱々として何も変わらない毎日の中で「出会い」を求めていたのだろう、そして無気力ながらももがく中で僕はこの漫画と出会い、そこに意味を求め、その出会いそのものが僕の中の何かのスイッチを入れたのだ。
そういう意味でこの漫画にはとても感謝しており、大学に合格した後、ちゃんと新品で購入させて頂きました。 そんな思い出の漫画です。
さて、あれから何年もたちました。
僕は卒留というまたもや足踏みをしてしまい、立ち止まり、己の中の無気力と向き合わねばならなくなりました。
大学で過ごすうちに、僕の内面は無気力に食い尽くされて、生きる屍のようになりました。
今年はもう少し、自分から学問に対して真摯に向き合い、「出会い」を起こして行こうかな、そんな風に思います。
この漫画と出会ったときのことを思い出しながら。
新たな出会いがあることを祈ってポチッとお願いします
↓