木曜レジオ

恥の多い人生ですね(達観)

歯学部と医学部はなんで別?

さて、数日前から歯周病アルツハイマー認知症の関係が取りざたされている。 かなり驚く話題だが、今後の研究が未だ待たれるところであろう。

歯周病の原因菌がアルツハイマー病に関連している可能性を示す研究結果 |ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

まぁ偏差値20代の僕が最先端の分野に関して言うことなど何もないのだが、1つ気になることが。

こうやって歯周病アルツハイマーなどの病気を引き起こすわけだけど、何故、歯科と医学は分かれているのか?

ということだ。

気になったので軽ーく、調べてみた。 以下の記事を参考にした。

歯学と医学の歴史| 福岡歯科大学

http://seisan.server-shared.com/673/673-49.pdf

目次

近代以前の歯科

日本において701年の大宝律令においては歯科は医学の1つとして定義されていたが、その後、仏師が仏像を掘る仕事の減少とともに、その技術を活かして入れ歯を作る「入れ歯士」となり、その時代にはまた別の仕事として「歯抜き士」という仕事が生まれていたようだ。この期間に歯科は医学よりも「ものづくり」、「職人」の扱う領域として広まっていったようだ。

明治初期の歯科

明治になり、明治7年(1874年)その当時の明治政府の「歯科医は医者であるべきだ」という考えのもと、医学の一部として歯科は併合される。

アメリカでの歯学の扱い

さて、ここで舞台が変わって十九世紀、アメリカのMaryland大学医学部が創設されたとき、歯学は「art」であり「science」ではないという論理で医学部に含まれなかった。ここまでの歯科と医学が経験的に分けられる流れは日本と同じでありながら徹底しており興味深い。それを受けてHayden、Harrisらは1840年にBaltimore College of Dental Surgeryを創設したのだ。

今の歯学部へ

そして当時の日本人がアメリカで歯学を学び、帰国後歯学部の創設を願い出て、それが受け入れられることで「再び」歯科は医学から独立した分野としての地位を確立したのであった。 ちなみに、大正時代、歯学を医学の一部とすべき、と主張した人物は身の危険を感じるほどの迫害にあったそうだからよっぽどセンシティブな問題であったのだろう。生活がかかっているであろうから納得はできるが。

とまぁ、こんな感じだそうだ。 内容の正しさは保証しないので悪しからず。

歯学が医学から独立した理念が サイエンスでなくてアートだ であるならば、今後歯周病が注目されていく過程でなんらかの障害が生じないかは心配ではあるが、あくまで歴史的な話でありまぁ取り越し苦労ではあるとは思う。