真夜中4時のタイムラインは 幾度更新せども動かず この世にまるで一人 病魔に取り憑かれる
小田桐仁義 「White Mirage」
いや、本自体は読んでるんです。でも虫食い的な読書に終始していたりして。読了したと言えるのがなかなかないのでね。
前回
structural-alien.hatenablog.com
と言うわけで今回はこちら。
不眠診療ミニマムエッセンス 井上真一郎 著
目次
概略
以下Amazonからの引用
不眠患者は年々増加し,一般外来や一般病棟でその対応に困っている医師も多いのでは? 様々な作用機序の新薬も登場し複雑になった睡眠薬に関するアドバイスを求められる薬剤師,医師が指示した「不眠時」や「不穏時」の薬をどのように使うか判断しなければいけない看護師にも役立つ,シチュエーションごとの解説! 不眠・せん妄のスペシャリストの大人気講義をよりわかりやすく書籍化した.外来でも病棟でも大活躍の1冊!
目次
1章 外来編 ―短時間で行う能率的な不眠対策― はじめに ・不眠症に対するアプローチ ・不眠の訴え 評価 ・「不眠症」の診断 対応 (1)原因の精査と除去 (2)睡眠衛生指導 (3)薬物療法 (4)薬物療法―説明
2章 入院編 ―せん妄予防を視野に入れた不眠対策― はじめに ・外来と入院における不眠に対するアプローチの違い ・一般病院の入院患者に占める65歳以上の割合 ・「せん妄ハイリスク患者ケア加算」と不眠対策 評価 STEP 1 ・せん妄のリスク評価【看護師】【医師】【薬剤師】 ・「認知症(認知機能低下)」の評価【看護師】【家族】 ・「アルコール多飲」の評価【看護師】 ・「せん妄の既往」の評価【看護師】【医師】 対策 STEP 2 ・せん妄予防を視野に入れた不眠対策 (1)不眠時・不穏時指示【医師】【看護師】【薬剤師】 (2)環境調整【看護師】【家族】 (3)内服中のベンゾジアゼピン受容体作動薬の減量・中止【医師】【薬剤師】 おわりに ・入院後に開始した不眠症治療薬 漫然と出し続けない!
対象読者
初めに、に書かれているように、一般病棟の医師や看護師、薬剤師むけの内容である。ただ、精神科医で睡眠を最初に学ぼうとするとっつきとしてもコンパクトでよくまとまった内容に思う。
骨太度
かなり気軽に読める。文章は読みやすく、わかりやすい。とりあえず睡眠のベンキュしようと思うならここからでもいいのではないだろうか。
読んだ目的
とりあえず簡単に睡眠について学んでおきたかったので読んでみた。
感想
各薬剤の特徴についてもまとめられており、ベンゾ系薬剤との向き合い方の一つのスタンスを知ることができると思う。ベンゾ系薬剤を使うにあたってもここは確認しておこう、と言う項目がクリアカットに書かれており、自分の今後の処方の指針を形作っていく中で参考になるものであった。
フック
「睡眠障害対処12の指針」が本文の中で掲げられている。これが非常にわかりやすい。本文にも書いてあったが、これを最初から患者さんに説明するのは限られた診察時間の中では現実的でもない。患者に睡眠衛生を指導する際に、とりあえず効果的な方法を伝えるのではなく、自分が今指針の中で何を話題にしているのか自覚できることにより、今後の外来診察の中で何を話題にすべきかが明確になると思った。 薬物療法の説明方法についても紙幅を割いており、外来診療におけるテクニックとして参考になると感じた。不眠治療、患者とのやりとりにかなり気を使うので一つの方法論として参考になる。
僕にとって想定される本書の内容を使う場面
不眠を話題に取り扱うことは非常に多く、本書で学んだことを活かして限られた診察時間の中で少しでも、不眠の改善につなげられれば、と思う。